猫好きな家庭教師の日記

猫好きなプロ家庭教師(東海地区)です。キャリア20年を振り返りつつ、日常の指導について思ったことを書いていきます。

家庭教師という仕事③

今日は家庭教師を雇うメリット②について書こうと思います。

 

親御さんと情報交換がしやすいのは、お付き合いの長さにもよりますが

生徒の年齢が低いほどメリットがあると思います。

 

高校生くらいになると親が勉強に口を出すことも減りますし、

そもそも親に口出しさせている方が不自然かなとも思います。

 

家庭教師はご存知の通りマンツーマンでの指導なので

生徒の精神状態が指導に大きく影響します。

私は、生徒のメンタルケアも家庭教師の仕事の1つだと思っています。

 

よくあるパターンとしては…

中学受験を控える小学生の場合、完全にその子のキャパを超えてしまうこと。

 「なんで自分ばっかり」

「もう勉強やだ」

そんな思いがボヨヨーンと大きくなって、抱えきれなくなります。

 

ちょっと様子がおかしいな~と思ったら

「どうしたのー?元気ないけど何かあった?お話聞くよ?」と

声かけをしてみます。

でもほとんどの場合、

「何でもない」

という答えが返ってきます。

 

こういう時は思いっきり泣かせると気持ちが少し楽になることが多いので、

「〇〇(生徒の名前)はさー、頑張ってると思うよ。

他の子はみんな遊んでるのに自分は毎日塾だし、

塾が休みの日は私が来ちゃうし。

親は勉強しろしか言わないし。

いやになっちゃうよね。先生も中学受験したからよく分かるよ。」

なんて言いながら頭ナーデナデしてあげると

だいたいの子はグスグス…ビェーーーと泣いてしまいます。

 

そしてだいたいの場合は

「もし受験を辞めたいなら先生も一緒にお母さんに話してあげるよ」

と言うと、

「辞めない」

って言います。

 

まだ12年くらいしか生きていない子が、

とてつもなく大きなプレッシャーと闘っているんですよね。

親の期待に応えたいという気持ちも大いにあるんです。

でもそれを抑えてでもガッツリ戦いに挑むほどのキャパはありません。

ギリギリのところで頑張っている彼らを支えてあげなければならないのです。

 

中学受験の場合、生徒はもちろんですがお母さんのメンタルケアも必要です。

電話やメールで愚痴を聞くことも多いです。

 

また、毎回直接お会いできるので、次の指導までの間にお母さんにフォローして

欲しいことを具体的に伝えることもできます。

そうすることでお母さんも受験勉強に参加しやすくなりますし、

毎日毎日一緒に勉強することで子どもの大変さを体感できるというメリットも

あります。

 

生徒が中学生の場合は、「ザ・反抗期」なのでケアの仕方も少し変わります。

まずは「もう小学生じゃないから、子ども扱いしないよ」ということを伝えます。

 

小学生の時から教えている子の場合は特にそうですが、

今までとは違った対応をしてあげます。

時には「ちょっと聞いてよー」と、私が愚痴ることもあります。

ちょっと大人扱いされることで、先生の信頼を裏切ってはいけないなと自覚することも

大事だと思うんですよね。

 

反抗期なのは当たり前なので「盛大に反抗するがよろし」と伝えます。

その代わり、人として言ってはいけないこと・やってはいけないことはするな。

それが区別できないなら反抗する資格はないし、

そもそもそれは反抗ではなくてただのワガママだぞ、

と釘は刺しておきます。

 

生徒とはそんなやり取りをしながら心の状態をさぐり、

お母さんには本人のいないところで伝えます。

本人の前でお伝えするのはその日の学習内容くらいです。

小学生のときのように、本人たちの目の前でダメ出しすることは極力控えます。

あまりに目に余ることはわざと目の前で言うようにしますが、

彼らのプライドに関わることは控えるようにしています。

 

塾でもある程度のフォローは可能だと思いますが、

このくらいガッツリなフォローができるのは家庭教師だからだと思います。

賛否両論あるかもしれませんが、これが私のスタイルです。