猫好きな家庭教師の日記

猫好きなプロ家庭教師(東海地区)です。キャリア20年を振り返りつつ、日常の指導について思ったことを書いていきます。

塾を辞めるか否か

夏休みから受け持っている生徒さんがいます。

彼女は中学受験を控えた6年生で、大手の塾に通っています。

 

とても真面目な子で、成績も悪くありません。

これは本人から聞いてビックリしたのですが、自ら家庭教師をつけて欲しいと言い、さらには自分で派遣会社(自分の通う塾に合わせてくれる先生を派遣してくれるところ)を検索し、「お母さん、ここに電話して」とお願いしたそうです。

 

おったまげました。

 

とても素直で礼儀正しい子なのですが、やはり思春期ということもありお母さんとの衝突が増えてきたため、家庭学習のサポートが欲しかったようです。お母さんからのご要望としてメンタル面のサポートをお願いしたいとのことでした。

 

夏休みは塾の夏期講習に通っていたのですが、お母さんと本人からSOSの電話が何度かありました。その原因の多くが「こんなに宿題できない!」でした。

彼女の真面目さが裏目に出てしまい、「宿題」と言われたら絶対にやっていかないといけない、宿題がやれていない状態で塾に行けない、また講習は普段とは違う校舎に通うため、環境(先生や周りの知らない生徒)の変化にもうまく対応できないことも原因でした。

 

何とかなだめすかしながら(時には塾をお休みしながら)何とか夏休みを終えて、受験まで残すところあと数か月となったところで、またお母さんから相談を受けました。

 

「先生…この時期に塾を辞めるという選択はありなのでしょうか。」

 

ほほー。そうきたか、という感じでした。

それと同時に、このお母さんは本当にお子さんのことをよく観察してみえるし、よく考えていらっしゃるなぁと思いました。

 

普段の宿題に加えて過去問も宿題として出され、案の定「こんなにできない!」と荒れてしまったようです。お母さんも私も、「全部できなくても大丈夫、それより今必要な勉強をしなきゃいけないんだよ」と言うのですが、それがなかなか受け入れられません。

 

そこでお母さんは「こんな状態で塾に通う必要があるのだろうか。こうやってワタワタしている時間がもったいない。」と思われたようです。

 

とりあえず今は1週間か2週間くらい塾を休んで家庭学習をしてみようということになっています。私が毎日のスケジュールを細かく立ててあります。

このくらいなら頑張れる、夜は22:00には寝よう、毎日計算をやろう、1回に1.5Hはしっかり集中しよう、などなど本人と相談しながら決めてきました。

 

6年生の夏休み前までに学習すべきことは全て終わっています。あとは苦手教科、苦手分野をいかにモノにできるかが勝負です。

苦手なところはとにかく時間をかけて反復練習をする必要がありますが、通塾しながらだと結局宿題に追われてしまってそれができなくなってしまいます。

「塾の宿題はやらずに苦手分野の復習をする」と割り切れれば問題ないのですが、それができないから苦しくなってしまっている状態のようです。

 

土台がしっかり固定されていなければ上に積み重ねることはできません。

この時期だからこそ、もう一度基本をしっかりやり直すことが必要なのではないかと私は思います。

 

国語は漢字と言葉、算数は計算と基本問題、理科・社会は基本事項の暗記。

とにかくコレをしっかりこなした上での応用問題だと思います。

 

今の時期に塾を辞めるというのは勇気のいることだと思いますが、計画さえ立ててあげればきちんと家庭学習ができる子なので、この子に関してはアリなんじゃないかと思っています。

 

もちろん最終判断はご家庭に委ねますが、どんな選択をされても私は全力でサポートしようと思います。